帯状傾斜荷重を受ける斜面上直接基礎の支持力に関する一検討

東洋技研コンサルタント梶@○ 武山 和夫
中島 信和
稲本 秀雄

論文要旨

 斜面上直接基礎の極限支持力は,地盤の自重を無視した剛塑性解による粘着力および上載荷重に対する支持力と,地盤の自重と内部摩擦角によって生ずる付加支持力の和として求め,水平地盤の支持力特性による補正係数を乗じて算定されている。このような仮定は,実際の破壊面の大きさ,形状と少々異なったものとなろう。本研究は,このような観点から複合破壊メカニズムのもとで上界定理にしたがって支持力値を求め,指針で提案されている重ね合わせの結果との対比によりその近似度を調べるとともに破壊土塊の領域を検討したものである。若干のモデル計算による検討ではあるが,指針による支持力の誤差は,15%程度であり,普通は安全側であった。基礎幅が10mの場合であるが,崩壊土塊の荷重前幅は12m程度から場合によって35mに及ぶ。崩壊土塊の深さは5〜15mである。

キーワード

直接基礎,傾斜荷重,斜面,地盤支持力