資料No. | 03-1 |
報告書タイトル | 土木・景観デザインの理念とノウハウに関する調査・研究 |
委員会名 | 景観デザイン手法研究委員会 |
委員長名 | 榊原和彦(大阪産業大学 工学部 環境デザイン学科) |
活動期間 | 平成12年4月〜平成15年3月 |
発行年 | 平成15年8月1日 |
報告書目次
1.研究の基本的考え方と方向
1.1.研究の狙いと共通テーマ
1.2.共通テーマの背景と評価軸
1.3.評価軸と評価指標
1.4.ノウハウの事前評価とキーワード
1.5.研究における問題意識
2.次世代の土木デザイン
2.1.循環型社会と土木デザイン
2.2.リサイクル材を利用した土木デザイン
3.環境デザインとしての土木
3.1.下町におけるまちなみ景観の保全・形成
3.2.千里ニュータウンの景観
3.3.美しい農村景観
3.4.山間部の景観と調和する橋のデザイン
3.5.連続高架橋の桁下空間デザイン
4.人が似合う土木景観デザイン
4.1.土木空間に残る巨樹
4.2.人間が創った丘
4.3.祝祭空間としての道
4.4.街並みの競合と植栽
4.5.歩車道空間の分節のデザイン
4.6.人が動くことにより景色が変わる(ドラマ性のある階段空間の形成)
5.美しい風景をつくる土木デザイン
5.1.風景を造る橋梁デザイン〜機能美・構造美の事例を踏まえた再検討〜
5.2.歩行者から見る、市街地における高木のあり方
5.3.風景と調和する構造物の表面装飾
5.4.住民参加による原風景づくり〜琵琶湖の内湖環境整備をケースとして〜
5.5.土木デザインの比較論
5.6.風景をつくる身近な緑の残し方
付 表
報告書全体概要
景観デザイン手法研究委員会は、景観デザインに関するさまざまなノウハウをまとめることを目的として、委員25名(内、外来委員5名)をもって平成12年4月に発足し、平成15年3月までの3年間にわたって研究活動を続けた。
ここでいうノウハウとは、簡単に言えば、土木・景観デザインに関わる専門的知識や独自の方法・仕方であり、具体的には、景観デザインに関わる何らかのテーマ(論題、“問い”によって示される問題・課題)に対する解答や解決策、論証を、事例とともにまとめたものである。
こうしたノウハウの必要性と意義については、本委員会の前身である「土木デザイン研究委員会」において提唱した。その詳細および同委員会において見出したノウハウについては、報告書「土木デザインの実践的理念と手法に関する研究・調査」(平成12年3月刊)にまとめており、また、ウェブページで公開しているので参照されたい(http://www.edd.osaka-sandai.ac.jp/~k-bara/civil_design/index.html)。
本研究委員会でも、前委員会でとったやり方、考え方を基本的に踏襲している。したがって、本報告書「土木・景観デザインの理念とノウハウに関する調査・研究」は、前委員会の報告書の続編とも言える。しかし、いくつかの異なる方針の下に研究を行っており、報告書の構成も異なっている。最も大きな違いは、前委員会では、比較的“大きな”問題に対してアプローチし、デザインの“技法”よりも土木デザインの“考え方”や“規範”を明確化することを目標にしたのに対して、今回は、より具体的、個別的な、土木・景観デザインに関わる“知識”や“技法”、言い換えれば比較的“小さな”問題に的を絞ることにしたことである。さらには、とりあげるノウハウの内容が分散してしまわないために、分科会ごとに共通テーマを設定し、それに沿って研究を進めた。したがって、本報告書は、そのテーマ別に構成し、研究全体の考え方とたどった方向について第1章で述べている。
各分科会委員は、原則として、1つのノウハウを研究・提出するものとし、共通テーマに沿った“問い”を設定した(分科会別の共通テーマとその概要等については第1章に述べる)が、最終的な結果として、計18題のノウハウが得られた。それらは、参加委員が日頃の業務の中で培った問題意識から生まれた課題、あるいは、業務で実際に生じた課題を研究テーマとして設定したものが多い。そのため、実務的裏付けがあるテーマを、実際的業務の中では諸制約によって追求しがたい程度にまで深く、かつ広がりをもって探求することができたと言えよう。テーマ別に数頁にまとめられたノウハウの集まりは、そのままで景観デザインに役立つ知見であり、キーワードや事例から検索することもできる。さまざまなかたちで業務にフィードバックし、個別的コンサルタント業務の遂行時の問題解決に利用していただければと考える。
4研究分科会は、それぞれ概ね月に1回程度分科会を開催し、総開催回数は、○回に上る。分科会のご指導をいただいた鳴海邦碩大阪大学教授、増田昇大阪府立大学教授、山ア正史立命館大学教授には、心より感謝を申し上げたい。
○回開催した全体委員会では、研究の方向や内容の調整の他に、多数の講演会・勉強会・見学会を行った。こうした分科会、全体委員会は、直接には研究のためのものであるが、それだけでなく、そこに参加することから得られる知見・見識の広がりが貴重である。委員会活動を通じて主体的に学び、考え、学識委員の人格・識見に触れ、さまざまな専門分野を有する他の委員と交流・コミュニケーションするところから得たものによって、参加委員は、より広い視野と技術力をもって業務遂行が可能になったと考える。つくられた人的ネットワークも今後の財産となろう。
最後になったが、本研究委員会を支えていただいた(社)建設コンサルタンツ協会近畿支部、参加いただいた委員各位、委員を派遣していただいた会社、調査・研究にご協力をたまわった方々に、心から感謝の意を表したい。そして、今後、この委員会の成果・課題を引き継ぐかたちで発足・活動する景観デザイン手法研究委員会に対しても、変わらぬご支援を賜れば幸いである。
平成15年7月
土木デザイン手法研究委員会 委員長 榊原和彦
委員名簿
No. | 氏 名 | 所 属 |
---|---|---|
1 | 榊原 和彦 | 大阪産業大学 工学部 環境デザイン学科 |
2 | 鳴海 邦碩 | 大阪大学 工学部 環境工学科 |
3 | 増田 昇 | 大阪府立大学 農学部 農業工学科 |
4 | 山崎 正史 | 立命館大学 理工学部 環境システム工学科 |
5 | 上田 哲生 | (株)オオバ 大阪支店 環境デザイン部 |
6 | 中村慶之介 | (株)オリエンタルコンサルタンツ 関西支社 |
7 | 水野 浩 | 川田工業(株) 大阪支社 技術部 |
8 | 北野 俊介 | 協和設計(株) 設計部 |
9 | 宝籐 勝彦 | 近畿技術コンサルタンツ(株) 河川第一部 |
10 | 北洞 鋼一 | 国際航業(株) 国土マネジメント事業部 環境部 |
11 | 近藤 智宏 | 国際航業(株) 国土マネジメント事業部 環境部 |
12 | 河本 一典 | (株)修成建設コンサルタント 総合計画部 |
13 | 足立 修二 | 大日本コンサルタント(株) 大阪支社 構造技術部 |
14 | 岡村 淳 | 玉野総合コンサルタント(株) 大阪支店 設計部 |
15 | 加古 真一 | 中央復建コンサルタンツ(株) 道路系グループ |
16 | 杉岡 清博 | 中央復建コンサルタンツ(株) 環境系グループ |
17 | 木村 匡志 | (株)長大 大阪支社 構造事業部 |
18 | 田中 亨介 | (株)東京建設コンサルタント 関西支店 技術2部 |
19 | 山根 幸雄 | (株)トーニチコンサルタント 西日本支社計画調査部 |
20 | 中堀 和英 | (株)中堀ソイルコーナー |
21 | 出口 直彦 | (株)ニュージェック 東京本社 プロポーザル部 |
22 | 丸尾 宗朋 | (株)ニュージェック 大阪本社 交通道路部 |
23 | 井上 恵太 | (株)ニュージェック 大阪本社 総合計画・環境部 |
24 | 衣川 貴幸 | パシフィックコンサルタンツ(株) 大阪本社総合計画部 |
25 | 石塚 祐子 | 八千代エンジニヤリング(株) 大阪支店 |