資料No. 04-6
報告書タイトル ライフサイクルコストの計画・設計への反映方法
委員会名 ライフサイクルコスト研究委員会
委員長名 古田 均(関西大学 総合情報学部)
活動期間 平成13年4月〜平成16年3月
発行年 平成16年8月1日

報告書目次

第1編 委員会活動概要

 1.委員会設立経緯
 2.委員会構成
 3.委員会活動
  3.1 全体委員会開催
  3.2 分科会開催
   3.2.1 第1分科会
   3.2.2 第2分科会
   3.2.3 第3分科会
  3.3 講演
  3.4 見学会
  3.5 各委員の抱負・要望のアンケート
  3.6 Web頁作成

第2編 LCCに着目した発注方式(第1分科会)

 1.はじめに
 2.公共事業の発注の現状
  2.1 業者選定
  2.2 業務委託
   2.2.1 業務内容に応じた入札契約方式の選定
   2.2.2 予定価格に応じた分類
  2.3 入札契約方式
   2.3.1 一般競争入札
   2.3.2 指名競争入札
   2.3.3 随意契約
   2.3.4 その他の入札契約方式
  2.4 発注の現状
  2.5 従来方式の発注の現状と問題点
  2.6 プロポーザル方式による発注方法
 3.公共事業の発注方式の動向
  3.1 プロポーザル方式の熟成
  3.2 CM ,PM方式等の将来的な実施
 3.3 近畿地方の地整・府県・政令指定都市の現状
  3.3.1 国土交通省近畿地方整備局
  3.3.2 福井県
  3.3.3 滋賀県
  3.3.4 京都府
  3.3.5 大阪府
  3.3.6 奈良県
  3.3.7 和歌山県
  3.3.8 兵庫県
  3.3.9 京都市
  3.3.10 大阪市
  3.3.11 神戸市
  3.3.12 日本道路公団関西支社
  3.3.13 阪神高速道路公団
 4.LCCに着目した各分野の発注業務の事例
 5.LCCに着目した発注方法の問題点と課題
  5.1 LCCに着目した従来の発注方法の問題点
  5.2 LCCに着目したプロポーザル方式の発注方法の問題点
  5.3 LCCに着目した発注方法の課題
 6.LCCに着目した発注方法の改善案の提案
  6.1 道路分野
   6.1.1 LCCを考慮した業務発注
   6.1.2 LCCに着目した技術評価
 6.2 港湾分野
 6.3 橋梁分野
7.発注関係者へのヒアリング結果
 7.1 大阪市へのヒアリング
 7.2 大阪府へのヒアリング
8.まとめ
 その他:参考資料

第3編 LCCの試算(第2分科会)

 1.はじめに
 2.部材の劣化予測
  2.1 鋼部材の劣化予測
   2.1.1 鋼部材の劣化現象
   2.1.2 鋼部材の疲労
 2.1.3 鋼部材の腐食
  2.2 コンクリート部材の劣化予測
   2.2.1 コンクリート部材の劣化現象
   2.2.2 コンクリート部材の中性化
   2.2.3 コンクリート部材の塩害
   2.2.4 コンクリート部材のアルカリ骨材反応
  2.3 その他の部材の劣化予測
 3.LCCに影響を与える項目と単価の整理
  3.1 LCC算出に必要となる項目
   3.1.1 項目と部材の設定
   3.1.2 既往文献の調査
  3.2 部材のライフサイクル
   3.2.1 劣化要因と環境条件
   3.2.2 LCCの算出における環境条件の設定
   3.2.3 部材のライフサイクル
  3.3 部材の補修コスト
   3.3.1 補修コストの設定
   3.3.2 補修コストのまとめ
 4.LCCの試算および考察
  4.1 LCC試算の目的
  4.2 LCC試算条件
   4.2.1 条件設定
   4.2.2 試算ケース
  4.3 初期コスト
   4.3.1 上部工費
   4.3.2 下部工費
  4.4 補修コスト
  4.5 LCCの試算結果
   4.5.1 試算結果
   4.5.2 試算結果のLCC評価
  4.6 LCCに影響を及ぼす項目の分析
  4.7 LCCにおけるライフサイクルとコストとの相関分析
   4.7.1 試算条件
   4.7.2 ライフサイクルとコストとの相関分析
   4.7.3 ライフサイクルおよびコストと耐用年数の相関分析
  4.8 考察および今後の課題
   4.8.1 考察
   4.8.2 今後の課題
 5.おわりに
  参考資料−1 LCCに関する参考文献の要約
  参考資料−2 「LCCにおけるライフサイクルとコストとの相関分析」における試算結果

第4編 モニタリングとLCC(第3分科会)


 1.まえがき
 2.LCCとモニタリング
 3.モニタリングに関する事例(文献調査結果と分析)
  3.1 はじめに
  3.2 文献調査の概要
   3.2.1 調査の目的
   3.2.2 調査の方法
   3.2.3 調査範囲
    (1)調査年
    (2)検索条件
   3.2.4 調査項目
  3.3 文献調査の結果
   3.3.1 掲載雑誌別での分類
   3.3.2 土木学会年次学術講演会における分野別の分類
  3.4 モニタリング技術利用の状況
   参考文献
 4.計測機器(方法)の資料収集とその整理
  4.1 はじめに
  4.2 計測機器(方法)の資料収集
  4.3 収集資料の整理法
  4.4 収集資料の整理と活用
   4.4.1 鋼構造物(橋梁)のモニタリング
   4.4.2 コンクリート構造物(橋梁)のモニタリング
   4.4.3 基礎および地盤のモニタリング
   4.4.4 トンネルのモニタリング
 5.計測機器(方法)データベースの構築
  5.1 はじめに
  5.2 点検支援システム
   5.2.1 橋梁の調査・点検
   5.2.2 計測機器の選定方法
   5.2.3 計測機器の整理と活用方法
  5.3 計測機器データベースの構築
   5.3.1 DBの基本要件
   5.3.2 XML利用の必要性
   5.3.3 DB構成
   5.3.4 DB検索と表示例
    (1)計測機器DB のTOP頁
    (2)損傷結果からの検索
    (3)機器分類からの検索
    (4)点検方法一覧表示
    (5)関連文献の表示
  5.4 DB の有効性の評価と効果の確認
   5.4.1 点検技術者へのヒアリング
   5.4.2 インターネット上での動作
   5.4.3 効果の確認
  5.5 まとめ
   参考文献
 6.圧電フィルムによる計測事例
 7.あとがき
  参考資料
   参考-1 全体委員会開催記録
   参考-2 分科会開催記録
   参考-3 講演要旨
   参考-4 見学会報告
   参考-5 各委員の抱負・要望
   参考-6 近畿支部HP用のWeb頁作成
  

報告書全体概要

持続性ある社会発展のためには、社会基盤施設の適切な保全が最重要課題である。
現在、道路、トンネル、橋梁、港湾、河川等の公共構造物をいかに維持管理していくかが急務となっている。特にわが国は高度成長期から安定期に入っており、多くの既存構造物が近い将来耐用年数を迎えようとしている。これらの社会・経済情勢を考えると、いかに維持管理を合理的に行うかについて考究することが望まれている。
以上に鑑み、本研究委員会は、最近注目を浴びているライフサイクルコストの考え方に注目し、その基本的な考え方および実際の設計ならびに維持管理計画への応用について研究を行った。本報告書は2001年4月から2004年3月までの3年間にわたって行った研究活動とその成果についてまとめたものである。3つの分科会を組織し、以下のテーマについて具体的に研究を行った。
第1分科会:ライフサイクルコストに着目した発注方法
第2分科会:ライフサイクルコストの試算
第3分科会:モニタリングとライフサイクルコスト
第1分科会では、現在、プロポーザル方式のように新しい発注方式が試行されているが、ライフサイクルコストの考え方が発注方式にどのように生かされているかについて調査検討し、業務委託、入札方式等についてまとめ、従来方式の現状と問題点について検討した。またプロ
ポーザル方式についても調査をし、発注方式の今後の動向について発注者ごとに検討し、ライフサイクルコストを考慮した場合の発注方式の改善法についていくつかの提案を行った。
第2分科会では、ライフサイクルコストの試算を行うことを目的とし、鋼・コンクリート部材の劣化予測について検討を加え、ライフサイクルコストに影響を与える項目と単価の整理を行った。さらに、それらの結果をもとに、単純ポストテンションT桁橋、単純板桁橋(RC床版)、単純板桁橋(合成床版)を題材としてライフサイクルコストの試算を行い、ライフサイクルコスト解析の有用性について検討を加えた。
第3分科会では、モニタリングとライフサイクルコストの関係について調査研究を行った。具体的には、まず過去のモニタリングに関する事例について、文献調査と分析を行い、モニタリング技術の利用状況について検討を行った。さらに、測定機器ならびに測定方法についても調査をし、鋼構造物、コンクリート構造物、基礎および地盤構造物ごとに整理を行った。次に、これらのデータベースを構築し、その有用性について検討を加えた。最後に圧電フィルムを用いたモニタリングを実際に行い、その有用性について検討した。
もちろん3年間の研究活動では、この社会資本の維持管理問題に対して解をえることは不可能であり、今後アセットマネジメント等ついてさらに研究を進めることが必要であるが、本報告書の成果が今後の社会基盤施設の維持管理の高精度化ならびに低コスト化の一助になれば幸いである。

2004年8月
ライフサイクルコスト研究委員会
委員長 古田 均


委員名簿

No. 所属 名前
1 関西大学 総合情報学部 古田 均
2 関西大学 工学部 都市環境工学科 坂野昌弘
3 京都大学 大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 服部篤史
4 富山県立大学 工学部 機械システム工学科 堀川教世
5 応用地質 関西支社 技術センター 設計部 立花規弘
6 応用地質 関西支社 技術センター 設計部 浦川重男
7 潟Iリエンタルコンサルタンツ 関西支社 森崎静一
8 川崎重工業 鉄構ビジネスセンター 橋梁・水門総括部 山田久之
9 協和設計 設計部 久後雅治
10 近畿技術コンサルタンツ 河川第1部 尾上政宏
11 褐嚼ン企画コンサルタント 構造設計部 蔭山路生
12 光洋エンジニアリング 藤本忠緒
13 国際航業 関西CM部 道路保全G 小林哲也
14 轄蒼y開発センター 技術開発研究所 一願 稔
15 JIPテクノサイエンス 大阪テクノセンタ 橋梁技術部 第1G 応和克俊
16 鰹C成建設コンサルタント 道路部 岸本卓二
17 椛詩技術コンサルタント 大阪支社 保全技術室 新見文彦
18 大日本コンサルタント 大阪支社 技術1部 本田博幸
19 玉野総合コンサルタント 大阪支店 設計部 脇 浩文
20 中央復建コンサルタンツ 道路・トンネル系G 吉良和雅
21 中央復建コンサルタンツ 港湾・空港系G 手皮章夫
22 樺研コンサルタント 技術第1部 抜木幸次
23 樺キ大 大阪支社 第2構造技術部門 城倉大輔
24 鞄結梃嚼ンコンサルタント 関西支店 技術1部 足立宏行
25 鞄結梃嚼ンコンサルタント 関西支店 技術2部 上田正司
26 東洋技研コンサルタント 技術第2部 中野晴之
27 潟jチゾウテック 技術コンサルティング本部 第1技術部 立川博啓
28 日本工営 大阪支店 技術1部 平井孝治
29 潟jュージェック 港湾・空港部 曽根照人
30 潟jュージェック 交通・道路部 内藤浩治
31 潟jュージェック 総合計画・環境部 保田敬一
32 復建調査設計 高松支社 藤井友行