資料No. 07-1
報告書タイトル アセットマネジメントの普及を目指して
委員会名 アセットマネジメント研究委員会
委員長名 古田 均(関西大学 総合情報学部)
活動期間 平成16年4月〜平成19年3月
発行年 平成19年7月1日

報告書目次

第1編 委員会活動概要

1.委員会設立経緯
2.委員会構成
3.委員会活動
 3.1全体委員会開催
 3.2分科会開催
 3.3講演
 3.4見学会

第2編 便益と会計(第1分科会)

1.まえがき
2.インフラの経済効果
 2.1インフラの整備と経済効果
 2.2費用便益と厚生
 2.3計画の評価
 2.4用語説明
3.費用便益分析
 3.1費用便益分析の紹介
 3.2費用の考え方
 3.3便益の考え方
 3.4必要な数学モデル(確率モデル,統計モデル)の紹介
 3.5維持管理費用の算出方法
4.会計法
 4.1はじめに
 4.2アセットマネジメントと会計法
 4.3繰延維持補修会計の事例紹介
 補遺 1. 現在の会計法の問題点
     2. 海外の会計法の紹介
     3. 日本公認会計士協会による公会計の提案
     4. 繰延維持補修会計
     5. 会計用語の解説
5.まとめと今後の課題

第3編 既設橋梁群のマネジメント手法の提案(第2分科会)

1.はじめに
2.アセットマネジメントに関する現状調査
 2.1自治体等のアセットマネジメントへの取組状況の調査
 2.2アセットマネジメントに取り組んでいる自治体の取組内容の詳細調査
 2.3JR系鉄道会社の土木構造物維持管理
3.既設橋梁群のマネジメント手法の提案
 3.1既設橋梁群のマネジメント
 3.2橋梁点検
 3.3既設橋梁群のLCCの算定
 3.4既設橋梁群のコストの平準化
4.おわりに
巻末資料自治体等のアセットマネジメントへの取組状況の概要

参考資料
参考 -1全体委員会開催記録
参考 -2分科会開催記録

報告書全体概要

 現在,世界各国で社会基盤施設の維持管理が重要な課題となっている。米国,ヨーロッパ,そしてわが国もその例外ではない。さらに,現在は建設に目が向けられている発展途上国においても,早晩その維持管理が必要になってくることは論を待たない。
社会基盤施設には,道路,トンネル,橋梁,ダム,水路,その他多くのものがあるが,橋梁一つをとってもそのストックは膨大であり,それらすべてを健全な状態に維持していくことは,経済的,社会的,技術的に容易ではない。これらの情勢の中,現在アセットマネジメントが注目を浴びている。アセットマネジメントは,従来の「メンテナンス=維持・修繕」から発想を転換し,土木構造物を「資産」として捉え,工学だけでなく経済学や経営学の考え方を取り入れて計画的に資産の運用・管理をしていくものである。
 このアセットマネジメントは,今まで作ることだけに専念してきたインフラ整備が初めてライフサイクルに視点を移すきっかけとなるものと大いに期待されている。アセットマネジメントは橋梁だけでなく,その他の道路施設(舗装,土工),トンネル,交通管制,等,社会資産一般のマネジメントを対象としており,将来非常に役に立つと期待されている。しかしながら,社会基盤施設のアセットマネジメントシステムを構築するには,未だ多くの問題がある。
 本「アセットマネジメント研究会」では,アセットマネジメントの普及を目指して,道路・構造技術者にも分かりやすい形で「アセットマネジメント」とは何かを明らかにすることから研究を始めた。具体的には,研究会を2つの分科会に分け,第1分科会では主として,便益と会計について検討を行った。また,第2分科会では,既存構造物のライフサイクルコストの算定法について検討を行った。
 本報告書はこの 2つの分科会に成果をまとめたものである。第1編として,委員会活動の概要を記し,第2編では便益と会計と題して,第1分科会の成果をまとめている。具体的には,まずインフラの経済効果について記し,費用便益分析法について概説している。そして,従来はあまり取り扱われなかった会計法について述べ,アセットマネジメントとの関係,繰延維持補修会計の事例を紹介している。第3編では,第2分科会の成果を既設構造物のライフサイクルコストとしてまとめている。まず,アセットマネジメントに関する現状調査を行い,自治体等のアセットマネジメントへの取組みについて調査を行い,さらに実際に取組んでいる自治体に関しては詳細調査を行い,その結果をまとめている。次に,既設橋梁のライフサイクルコストの算定法を示し,その算定条件を明らかとしている。そして,その算定例を紹介するとともに,既設橋梁群の維持管理方法を提案している。
最後に,3年間にわたり,忙しい業務の最中積極的に研究会に参加し,研究活動を続けられた各委員に感謝するとともに,本報告書が今後の社会基盤施設の維持管理に何らかの形で寄与できれば望外の喜びである。

2007年 3月
アセットマネジメント研究委員会 委員長 古田 均

委員名簿

No. 氏名 所属
1 古田  均 関西大学 総合情報学部
2 川谷 充郎 神戸大学工学部建設学科
3 坂野 昌弘 関西大学 工学部 都市環境工学科
4 竹林 幹雄 神戸大学 工学部建設学科
5 服部 篤史 京都大学大学院工学研究科 社会基盤工学専攻
6 立花 規弘 応用地質 関西支社 和歌山支店
7 大森 貴行 潟Iリエンタルコンサルタンツ 関西支社 構造グループ
8 山田 孝治 潟Lクチコンサルタント 設計部
9 川西 直樹 協和設計 設計部 構造課
10 久後 雅治 協和設計 設計部
11 鎌田 克也 褐嚼ン企画コンサルタント 大阪事業本部 総合マネジメント室
12 一願  稔 轄蒼y開発センター 技術開発研究所業務推進事業部
13 生駒 昇 ジェイアール西日本コンサルタンツ 構造物技術本部調査計測部
14 木村 浩幸 鰹C成建設コンサルタント 水工部
15 佐藤 大輔 鰹C成建設コンサルタント 道路部
16 山本 弘和 セントラルコンサルタント椛蜊緕x社 技術部 構造橋梁G
17 平川  淳 椛詩技術コンサルタント 大阪支社技術U部設計2課
18 本田 博幸 大日本コンサルタント 大阪支社構造技術部
19 慈道  充 中央復建コンサルタンツ 事業開発部 NPM系G
20 竹林 正晴 中央復建コンサルタンツ 道路・トンネル系G
21 松本 智 東京エンジニアリング 大阪支社技術部
22 京  秀樹 鞄結梃嚼ンコンサルタント 関西支店技術第1部
23 鎌谷 太郎 東洋技研コンサルタント 技術本部技術第2部
24 伊勢  正 日本工営 大阪支店 技術第1部交通計画・統合情報G
25 木村  淳 鞄本構造橋梁研究所 大阪支社 設計部 設計第一課
26 中西 卓也 潟jュージェック 港湾・空港G 港湾・空港T
27 保田 敬一 潟jュージェック 東京本社 技術開発G A MT
28 藤井 友行 復建調査設計 高松支社
29 伊藤 良雄 八千代エンジニヤリング 大阪支店技術第2部 第2課
加藤 麻紗子 関西大学総合情報学部
江南多恵 関西大学大学院
築山 勲 関西大学大学院
川ア  壽 兜ミ平エンジニアリング 大阪支店支店長
岡嶋 義行 褐嚼ン技術研究所 大阪本社 道路交通部
相良 謙治 国際航業 西日本支社 関西道路計画G 橋梁T
石川 泰朋 東亜建設工業 西日本設計センター
小川 貴裕 鞄建設計シビル 大阪事務所 建設マネジメント部
松田 良平 潟jチゾウテック 技術コンサルティング本部 技術開発部