資料No. |
510-106 |
報告書タイトル |
土木・景観・デザインの手法と実践に関する調査・研究 |
委員会名 |
景観デザイン研究委員会 |
委員長名 |
榊原和彦(大阪産業大学 工学部 環境デザイン学科) |
活動期間 |
平成6年4月〜平成9年3月 |
発行年 |
平成9年7月1日 |
報告書目次
第1章 土木デザイン論−土木デザインを巡る状況と課題
1.1.総論
1.1.1.研究の背景と目的
1.1.2.研究の方法
1.2.土木づくりを巡る状況とその課題
1.2.11土木づくりの体制に関わる問題点
(1)事例主義
(2)上からの決定
(3)補助金・会計検査
(4)標準設計
(5)地方自治体
(6)予算・人事体制
(7)他分野との協調性
(8)属地性
1-2.2.土木デザイン体制に関わる問題点
(1)担当者の知識・能力・デザイン技術
(2)土木のデザイン体制
(3)コンサルタント
第2章 土木デザイン技法−デザインキーワードと手法・課題
2.1.総論
2.ゾーニングの技法
(1)ゾーニングの対象範囲
(2)地域性とゾーニング
(3)動線の考慮
(4)目標・方針の設定
(5)ゾーンのネーミング
(6)デザインの連続性
2.3.視点場の技法
(1)計画・風景創造のプラニング
(2)構造物と視距離(遠景・中景・近景)
(3)展望スペース
(4)素材・テクスチュアの演出
(5)ランドマーク・シンボル性・構造と景観性の両立・地域の風土や文化との調和
(6)周辺環境との調和と景観の永続性
(7)景観設計における事前・事後調査の必要性
2.4.デザインコンセプトの技法
(1)コンセプトの柔軟性
(2)形化とコンセプト
(3)共通理念としてのコンセプト
(4)永続性のあるコンセプト
(5)コンセプトの双方向性
(6)コンセプトと対象スケール
2.5.形化の技法
(1)素材が持つ形
(2)力学的バランスのある形
(3)風景との調和
(4)総合物としてのデザイン
(5)心理と形
(6)形の技法
(7)構造・場所を無視したデザイン
(8)塔のデザイン
第3章 まちづくりの中の土木−地域的界観テーマの発見と施設デザインヘの反映
3.1.総論
3.2. まちづくりと土木行政を考える
3.2.1.その動向と問題点
(1)行政の立場、土木の立脚点
(2)道路景観とまちづくり
(3)行政とコンサルタント−それぞれの業務の取り組み方
(4)市民のまちづくり
(5)「公共デザインマニュアル」について
(6)失敗を乗り越えてこそ良いものができる
3.2.2.課題,目指すべき方向
3.3.計画・設計プロセスの検証
3.3.1. 検証の方法
3.3.2.景観計画事例の概要および検討の流れ
(1)道路修景緑地設計業務・播磨科学公園都市内
(2)新住宅市街地における歩行者専用橋設計業務
(3)和歌山市けやき大通りシンボルロード整備計画業務
(4)河川景観設計業務
(5)芦原町市街地修景整備言十画業務
(6)河川改修および歩行者橋設計業務
(7)橋梁設計業務
(8)遊歩道橋設計業務1某市駅前再開発地区
3.3.3.事業推進上の特徴と学ぶべき課題
第4章 都市景観設計と土木−都市スケールの造景手法
4.1.総論:忘れられた都市景観設計
4.2.都市景観設計におけるスケールの問題
4.2.1.遠景・中景・近景
4.2.2.大景観・中景観・小景観
4.3.都市の形態(道路パターン)と景観設計
4.3.1.グリッド・パターン(格子状道路網)
4.3.2.放射状道路網
4.3.3.幾何学的道路網
4.3.4.環境心理的都市構成
4.4.道路形態とランドマークの配置
4.4.1.都市の軸線とランドマーク
4.4.2.道路正面のランドマーク
4.5.地形と市街地・ランドマークの配置
4.6.水辺・水路と都市景観
4.6.1.大景観の中の河川景観
4.6.2.水辺の町並み
4.7.都市景観の読み方
4.7.1.景観の分析より鑑賞が先
4.7.2.芸術作品に学ぶ
4.7.3.古絵図−復元図−現況比較法
4.8.景観の保全
4.9.事例研究
4.9.1.阪神高速道路・東大阪線
4.9.2.多摩ニュータウン
4.9.3.セルジ国ポントフーズ(フランス)
4.9.4.城下町
4.9.5.瀬田の唐橋
4.9.6.錦帯橋
4.9.7.センチュリー大橋
4.9.8.八幡堀
第5章 ランドスケープと土木−デザインプロセスの検証とデザイン原理
5.1.総論
5.2.ランドスケープにおける土木の意義、役割
5.3.計画・設計プロセスとそこでの課題
5.4.デザイン過程における関係の美学
5.5.事例研究
5.5.1.神戸市生田川の水辺整備について
5.5.2.京都府花き総合指導センター
5.5.3.源氏物語散策の道
5.5.4.淀川水系尺治川の水辺について
5.5.5.京都府鴨川の高水敷整備について
5.5.6.桂川における低水護岸設計について
5.5.7.一般国道168号線道路設計について
5.5.8.擬岩を利用した河川落差工の修景
5.5.9.第二名神自動車道景観アセスメント調査
報告書全体概要
景観デザイン研究委員会は、土木デザインならびに土木づくりを通じての景観デザインに関し、その理念とあり方を追求し、手法を確立することを目的として、委員43名(内、外来委員5名)をもって平成6年4月に発足した。これに関連する研究分野については、平成2〜5年度に景観設計研究委員会が設けられ、4年間にわたって研究活動を行い、その成果が「景観設計の理念と手法に関する調査・研究」と題する報告書にまとめられている。しかし、土木・景観デザインの理念の追求にせよ、デザイン手法の確立にせよ、残された研究課題は多く、本研究委員会が設けられた次第である。
3年間の景観デザイン研究委員会活動は、全体委員会と分科会とに分けて行われた。全体委員会の開催は、延べ24回におよび、活動の活発さを示している。分科会は、以下のように5つ設けた。
@第T研究分科会(「土木デザイン論」研究分科会):土木デザイン一般の理念の確立、土木デザインを巡る状況と課題の把握、土木デザインの望ましいあり方の探求など、土木デザイン論を追求することを目的とする(分科会長:榊原和彦学識委員、延べ分科会開催回数20回)。
A第U研究分科会(「土木デザイン技法」研究分科会):事例をはじめとする土木デザイン情報を収集し、データベース。システム化を行うとともに、情報の分析にもとづいて、実用性の高いデザイン手法、デザイン・ノウハウを蓄積することを目的とする(分科会長:川崎雅史学識委、延べ分科会開催回数18回)。
B第V研究分科会(「まちづくりの中の土木」研究分科会):まちづくり、都市デザインとの関わりにおいて土木デザイン論を追求し、同時に、土木デザイン情報の収集と分析にもとづいて、まちづくりの観点からの土木テザインの手法、ノウハウを研究することを目的とする(分科会長:鳴海邦碩学識委員、延べ分科会開催回数11回)。
C第W研究分科会(「都市景観設計と土木」研究分科会):都市景観づくりと土木デザインに関し、とくに歴史的都市(まち・集落)におけるそれや現在に至るまでの歴史的な経緯に着目しながら分析・把握・考察し、その中から土木デザインのあり方、デザイン。ノウハウを見出すことを目的とする(分科会長:山崎正史学識委員、延べ分科会開催回数17回)。
D第X研究分科会(「ランドスケープと土木」研究分科会、土木。景観の整備事例,計画事例を調査・収集し、それを「ランドスケープ」の視点から分析して、ランドスケープ・デザインとしての土木デザインのあり方や原理についての提案を行うことを目的とする(分科会長:増田昇学識委員、延べ分科会開催回数19回)。
「土木・景観・デザインの手法と実践に関する調査・研究」と名付けられたこの報告書は、上記の各分科会の研究成果をまとめるものである。各分科会が1章づつを担当し、亭の標題と分科会名が一致するように構成してある。各章の副題は、章の内容を端的に指し示すべく考えられているが、上記にあげた分科会の目的とは、必ずしも一致していない。これは、分量の制約などがある中で、研究成果を報告書としてまとめる段階でそうなったものであり、いわば研究成果のエッセンスであって、全ての研究成果を載せているわけではない。
同様に、本研究委員会の「成果」も、研究成果だけにあるわけではない。委員会活動を通じて委員個々が体得した景観・デザインに関わる基本的態度、考え方、ノウハウこそダ貴重である。それは、単に本を読むことから習得したり、実践を通じて会得したことどもとは自ずから異なるだろう。主体的に学び、考え、学識委員の人格・識見に触れ、他の委員と交流・コミュニケーションするところから得たものだからである。また、結果的につくられた人的ネットワークも今後の財産となろう。委員数は年を追って増え、最終的には50名となったが、その間,委員の交代や代理委員もあったので、延べ委員会参加者は90名程度である。大事にしなければならない。
最後になったが、本研究委員会を支えていただいた(社)建設コンサルタンツ協会近畿支部、参加いただいた委員各位、調査・研究にご協力をたまわった方々に、心から感謝の意を表したい。そして、現在、この委員会の成果・課題を引き継ぐかたちで発足。活動中の土木デザイン研究委員会に対しても、変わらぬご支援を賜ることを祈る。
平成9年3月
景観デザイン研究委員会
委員長 榊原和彦
委員名簿
1 |
大阪産業大学工学部環境デザイン学科 |
榊原和彦 |
2 |
京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻 |
川崎雅史 |
3 |
大阪大学 工学部 環境工学科 |
鳴海邦碩 |
4 |
大阪府立大学農学部農業工学科 |
増田 昇 |
5 |
立命館大学理工学部環境システム工学科 |
山崎正史 |
6 |
潟Aーバンスタディ研究所 |
土橋正彦 |
7 |
潟Aイテック設計2部 |
森 洋二 |
8 |
アジア航測滑ヨ西生産技術部設計部 |
宮野裕子 |
9 |
潟Eェスコ 大阪支社 |
周川秀夫 |
10 |
潟Iリエンタルコンサルタンツ関西支社 |
坂本 明 |
11 |
潟Iリエンタルコンサルタンツ関西支社 |
中村友美 |
12 |
川田工業椛蜊緕x社技術部設計1課 |
陶器 正 |
13 |
鰍ゥんこう コンサルタント事業部設計部 |
曽野康男 |
14 |
潟Lュビカ |
松本興一 |
15 |
葛エ梁コンサルタント大阪支社技術部 |
土橋昌弘 |
16 |
協和設計 |
北野俊介 |
17 |
近畿技術コンサルタンツ |
尾上政宏 |
18 |
褐I本鉄工所鋳物事業部 |
横山あおい |
19 |
潟Pーエ一ケー技術研究所 |
林 文雄 |
20 |
褐嚼ン企画コンサルタント構造設計部 |
松川 努 |
21 |
褐嚼ン技術研究所大阪支社技術第3部 |
松本憲一 |
22 |
褐嚼ン技術研究所大阪支社技術第2部 |
西田憲造 |
23 |
国際航業滑ヨ西技術所コンサルタント部 |
北洞鋼一 |
24 |
清水建設椛蜊緕x店土木技術部 |
佐藤 博 |
25 |
鰹C成建設コンサルタント総合計画部 |
北田勝章 |
26 |
椛詩技術コンサルタント大阪支社設計部 |
小谷恭子 |
27 |
大日本コンサルタント椛蜊緕x社 構造部 |
松村浩司 |
28 |
大和クレス椛蜊繪c業所 |
鷹取利昌 |
29 |
大和設計葛Z術第2部第1課 |
伊藤 進 |
30 |
中央復建コンサルタンツ椛1設計部 |
軽部荘太 |
31 |
叶迹纉cコンサルタント大阪支店設計2課 |
山本純一 |
32 |
東京エンジニアリング椛蜊緕x社技術部 |
萩原隆朗 |
33 |
潟gーニチコンサルタント西日本支社 |
山根幸雄 |
34 |
釜Q速技研コンサルタント第2技荷部設計課 |
林 茂 |
35 |
潟iンバ技術開発課 |
津田義廣 |
36 |
日本橋梁鰯環境事業部開発工事課 |
小谷鐡穂 |
37 |
日本橋梁滑ツ境事業部設計1企画課 |
海田貴子 |
38 |
日本建設コンサルタント椛蜊緕x社 |
河合幸雄 |
39 |
日本振興椛蜊緕x店 |
立本重道 |
40 |
日本電子計算椛蜊緕x店技術営業部 |
花岡良成 |
41 |
潟jュージエック土木第五部 |
出口直彦 |
42 |
パシフィックコンサルタンツ椛蜊纐{社 |
西上律治 |
43 |
パシフィックコンサルタンツ樺部支社 |
宮口恒樹 |
44 |
パシフィックコンサルタンツ椛蜊纐{社 |
横田尚哉 |
45 |
鯛阪神コンサルタンツ 奈良支店 |
渡辺敏朗 |
46 |
復建調査設計椛蜊緕x社第2設計課 |
木村雄二 |
47 |
松尾橋梁褐i観事業部 |
松田章彦 |
48 |
三井共同建設コンサルタント滑ヨ西支社 |
伊藤正博 |
49 |
八千代エンジニヤリング椛蜊緕x店 |
小西 昌 |
50 |
渇。河技術情報大阪営業所 |
服藤善郎 |