資料No

511−44

報告書タイトル

コンクリート構造のライフタイムに関する調査・研究

委員会名

コンクリートのライフタイム研究委員会

委員長

小林 和夫

活動期間

平成8年4月〜平成11年3月

発行年

平成11年8月1日発行

報告書目次

第1編 廃棄物のコンクリートヘの再利用の現状と課題(A班)

1. まえがき
2. 廃棄物のコンクリートヘの再利用の現状および課題
2.1. コンクリート材料の再利用の現状および課題
2.1.1. 再生骨材
2.1.2. スラッジ,スラッジ水
2.1.3. コンクリート微粉末
2.1.4. 完全リサイクルセメント
2.1.5. コンクリート塊
2.1.6. その他
2.2. 産業廃棄物のコンクリートヘの再利用の現状および課題
2.2.1. 高炉スラグ
2.2.2. 石炭灰
2.2.3. シリカフューム
2.2.4. 都市生活廃棄物
2.2.5. アスファルト
2.2.6. その他
2.3. 海外での再利用の現状
3. 積極的にリサイクル材を利用するための方策
3.1. 設 計
3.1.1. 品質基準の動向
3.1.2. リサイクルコンクリートの力学的性質
3.2. その他
4. リサイクル材を用いた施工例
4.1. はじめに
4.2. 舗装への適用例
4.2.1. 路盤材への適用
4.2.2. 排水層への適用
4.3. 埋め戻し材としての適用例
4.3.1. 特 長
4.3.2. 施工事例
4.4. 構造物への適用例
4.4.1. 擁 壁
4.4.2. 砂防ダム側壁
4.5. コンクリート製品への適用例
4.5.1. 廃品コンクリート電柱
4.5.2. 廃材PCまくらぎ
4.6. 今後の課題5. あとがき
付 録:コンクリートヘの廃棄物の利用に関する文献集

第2編 コンクリート構造物の補修・補強に関する調査・研究(B班)

1. まえがき
2. コンクリート構造物の補修・補強事例の調査および分析
2.1. 目 的
2.2. 調査方法
2.3. アンケート集計結果
2.3.1. 各項目の調査結果
2.3.2. 要因分析
2.4. 補修事例
2.4.1. 表面保護工法
2.4.2. 断面修復工法
2.4.3. 注入工法
2.4.4. 標準工法選定フロー
2.5. 補強事例
2.5.1. 外ケーブル工法
2.5.2. 鋼板接着工法
2.5.3. 増厚工法
2.5.4. CFRP接着工法
2.5.5. 打換え工法
2.5.6. 標準工法選定フロー
2.6. まとめ
2.7. アンケート集計表

3. ライフタイムを考慮した補修・補強対策
3.1. 概 要
3.2. 耐用年数(期間),点検頻度の設定
3.2.1. 耐用年数(期間)の定義
3.2.2. 本報告書で取り扱う「寿命」
3.2.3. 道路橋の現状と供用期間の設定
3.2.4. 寿命を決定する三つの要因
3.2.5. 点検頻度の設定

3.3. 工法別補修補強費用
3.3.1. 補修工法
3.3.2. 補強工法
3.4. ライフタイムからみた補修補強工法
3.4.1. 維持管理の基本概念
3.4.2. ライフタイムからみた補修補強工法

4. ミニマムメンテナンスを考慮した補修・補強対策
4.1. 概 要
4.2. ミニマムメンテナンス橋
4.3. アンケート結果の考察
4.3.1. 補修・補強の理由
4.3.2. 補修・補強対象部位
4.3.3. 採用工法
4.4. 上部構造の損傷原因
4.4.1. コンクリート部材(床版、PC桁)の損傷原因

4.4.2. 支承の損傷原因
4.4.3. 伸縮装置の損傷原因
4.5. ミニマムメンテナンスからみた補修・補強工法
4.5.1. 外ケーブル工法
4.5.2. ノージョイント化工法
4.5.3. 新材料の利用(既設構造物への利用)
4.6. 補修・補強の耐久性
4.6.1. 鋼板接着工法
4.6.2. 補修用エポキシ樹脂
4.6.3. CFRPシート
4.7. まとめ
5. LCAを考慮した補修・補強対策
5.1. 概 要
5.2. LCAからみた補修・補強工法
5.2.1. 対象とする構造物
5.2.2. 想定するライフタイムサイクル
5.2.3. 工法別炭素排出量の算出条件
5.2.4. LCAからみた補強工法
5.3. まとめ
6. あとがき

第3編 将来の維持管理を見据えた構造形式に関する調査・研究(C班)

1. まえがき
2. 耐久性向上技術の現状と動向
.1. 材料・施工

2.1.1. 材 料
2.1.2. 施工法
2.1.3. 防食工法
2.2. 橋 梁
2.2.1. 床 版
2.2.2. 支 承
2.2.3. 伸縮装置
2.2.4. 排水装置
3. 新しい維持管理の方向性
3.1. 維持管理を見据えた構造形式の事例
3.2. B.M.S
3.3. ミニマムメンテナンス橋
3.4. パラストレッシング
4. 設計手法に関する最近の動向
4.1. 性能照査型設計法(性能規定)
4.1.1. 性能規定への移行の趣旨および背景
4.1.2. 性能規定とは
4.1.3. 性能規定の長所と問題点
4.1.4. 性能規定化の動向
4.1.5. 土木学会の性能規定
4.2. 耐久設計
4.2.1. 耐久設計の現状
4.2.2. 性能照査型統合設計
4.2.3. 今後の方向性
5. あとがき

第4編 PC橋のライフサイクルコストに関する調査・研究(D班)

1. まえがき
2. Bridge Management Systemの現状と将来
2.1. BMSについて
2.2. 各国における現状
3. 道路橋のライフサイクルコスト
3.1. ライフサイクルの概念
3.2. 道路橋の現状と将来
3.3. 橋梁の寿命に関する概念
3.4. 道路橋のライフサイクルコスト
3.5. ライフサイクルコストの評価
4. ミニマムメンテナンス橋
4.1. ミニマムメンテナンス橋のコンセプト
4.2. PC橋におけるミニマムメンテナンス技術
5. ライフサイクルコストの試算
5.1. LCC試算概要
5.2. LCC算出における条件設定
5.3. LCC算出試算例
5.3.1. プレテンション方式単純T桁橋
5.3.2. ポステンション方式単純T桁橋
5.3.3. 場所打ち箱桁橋
5.4. 鋼橋とのLCC比較
5.5. ミニマムメンテナンス橋の導入効果
5.6. 工費資料
6. あとがき

報告書全体概要

 わが国において,急速にコンクリート構造物が構築された高度経済成長期から約30年が経過し,社会資本である諸施設の老朽化が差し迫った問題となっている。また,21世紀の高齢化社会を目前にして,維持管理の在り方や建設廃材による環境破壊が杜会問題にもなっている。これらの問題を踏まえ,本委員会ではB.M.S(Bridge Management System)に関する研究のわが国での先駆者である宮本文穂先生(山口大学工学部知能情報システム工学教授)を招聘し御講演を頂き,この問題に関する最先端の情報,現状の問題点等の貴重な意見を頂くなど,コンクリート構造物のライフタイムにおける材料,補修・補強,構造形式,維持管理の観点から,次のA〜D班に分かれて調査研究活動を行った。

 A班
廃材を利用したコンクリートや環境共生型コンクリートなど,新しいコンクリート材料についての調査研究

 B班(補修・補強)
老朽化したコンクリート構造物の補修・補強方法についての現状調査ならびにその実用性についての情報収集

 C班(構造形式)
コンクリートのライフタイム延伸のための設計法,ミニマムメンテナンス実現のための構造形式ならびにライフサイクル縮減のための施工法についての調査研究

 D班(B.M.S)
B.M.Sの資料収集ならびにミニマムメンテナンス橋のプロトタイプ形式の提案および従来橋とのライフサイクルコストについての比較と評価

 本報告書は,別表の構成委員による,平成9年4月から2カ年にわたる研究活動の成果をとりまとめたものである。途中,誠に残念なことに前委員長である藤井學先生(当時京都大学大学院工学研究科教授)が急逝され,委員会活動が滞ることも心配された。しかしながら,他の外来委員の諸先生方の御指導と,各委員の御努力により本研究委員会の成果をまとめることができた。ここに改めて御冥福をお祈りするとともに,生前,藤井先生が口にされた意味深い言葉として「Our strength is your strength」という言葉が思い出される。成果をまとめるにあたり,委員諸氏の方々に謝意を表するとともに,本報告書が今後実務に活用され,コンクリート構造物のライフタイムにおける諸技術の向上に寄与することを望むものである。

小林 和夫

委員名簿

(京都大学 大学院 工学研究科 教授)

藤井 学

大阪工業大学 工学部 土木工学科

小林和夫

大阪工業大学 短期大学部 土木工学科

梶川靖治

立命館大学 理工学部 土木工学科

児島孝之

中部大学 工学部 土木工学科

平澤征夫

オリエンタル建設梶@大阪支店 工務部

以後有希夫

潟Iリエンタルコンサルタンツ 関西支社

三矢 寿

川田建設梶@大阪支店 技術部

菅澤文博

葛エ梁コンサルタント 大阪支社 技術部

吉岡 昇

極東工業梶@大阪支店 設計部

藤田 修

10

褐嚼ン企画コンサルタント 構造設計部

東野忠雄

11

褐嚼ン技術研究所 大阪支社 河川本部

鈴木直人

12

轄\造システム研究所

洞毛 隆

13

轄ヲr組 土木本部 土木設計部構造設計課

金好昭彦

14

国際航業梶@関西事業本部 道路部

神原達二

15

鰹C成建設コンサルタント 道路部 構造課

川崎賢二

16

住友建設梶@土木部エンジニアリングチーム

山中康司

17

椛轟嚥Z術コンサルタント

味好 渉

18

大日本コンサルタント梶@大阪支社 構造部

大貝和也

19

大和クレス梶@生産技術部

馬場政教

20

大和設計梶@技術第二部

木村保夫

21

中央復建コンサルタンツ梶@第一設計部

上田 隆

22

中央復建コンサルタンツ梶@第二設計部

松浦靖治

23

樺研コンサルタント 技術第一部

鈴木宏信

24

叶迹纉cコンサルタント 大阪支店 技術部

原山秀樹

25

鞄結梃嚼ンコンサルタント 関西支店

上田正司

26

東洋技研コンサルタント梶@第2技術部

梅鉢善一

27

内外エンジニアリング梶@大阪支社 技術部

金川 仁

28

日本建設コンサルタント梶@大阪支社

小出英明

29

日本振興梶@大阪支店 技術1課

立本重道

30

日本電子計算梶@大阪支店技術営業部第2課

辻 基成

31

鞄本ピーエス 大阪支店 設計部

山下朋広

32

潟jュージェック 橋梁部 橋梁第2室

板東菊太郎

33

轄辮_コンサルタンツ 神戸支店 設計2部

平塚和身

34

潟sー・エス 大阪支店土木技術部 設計課

藤岡 靖

35

ピーシー橋梁梶@大阪支店 技術部

廣井幸夫

36

不動建設梶@大阪本店 土木技術部

堀岡良則

37

潟zクコン 神戸営業所 技術開発統括部

有田淳一

38

潟}エダ 大阪支社 技術部技術第一課

岡 亮