資料No

515-63

報告書タイトル

環境にやさしい橋梁技術に関する調査・研究

委員会名

環境にやさしい橋梁技術研究委員会

委員長

園田恵一郎

活動期間

平成8年4月〜平成11年3月

発行年

平成11年8月1日発行

報告書目次

第1編 RC3径間連続ラーメン橋の動的解析例(第1分科会)

1. まえがき
2. 動的解析概論
2.1. 道路橋示方書(H.8.)による動的解析の適用
2.2. 動的解析法の種類
2.3. 応答スペクトル法
2.4. 多自由度系に対する応答スペクトル法の適用
2.5. 時刻歴応答解析
2.6. 動的解析結果による安全性の照査
2.7. 鉄筋コンクリート(RC)部材の非線形剛性と履歴特性
3. RC3径間連続ラーメン橋の動的解析比較
3.1. 設計条件
3.2. 地震時保有水平耐力法による照査
3.3. 固有値解析
3.4. 減衰定数について
3.5. 動的解析結果
3.6. 解析を終えて
4. あとがき

第2編 環境にやさしい橋梁技術(第2分科会)

1. はじめに
1.1. 日本の国家プロジェクトとスローガン
1.2. 快適性を追求する橋梁技術に関する事例収集の整理
1.3. 橋梁に関わる人と快適性に関連するキーワード
1.4. 橋梁技術者の美意識への関心(海外文献の抄訳の紹介)
2. 快適性を追求した橋梁技術
2.1. 市街地
2.1.1. 現状と問題点
2.1.2. 橋梁付属物について
2.1.3. 快適性を追求した歩道橋について
2.2. 河川・海岸
2.2.1. 現状と問題点
2.2.2. 人への配慮
2.2.3. 自然環境への配慮
2.2.4. 構造物への配慮
2.3. 渓谷・山間部
2.3.1. 背 景
2.3.2. 歴史的背景
2.3.3. 森林鉄道にみる木橋
2.3.4. 木橋の技術
2.3.5. 日本における施工例
2.3.6. 海外における施工例
2.3.7. あとがき
3. 快適性を配慮した補修補強の事例(維持管理)
3.1. 現状と問題
3.2. 問題を解決するための工法の紹介
4. デザインコンペの例
4.1. 背 景
4.2. 最近の動向
4.3. 大阪市 淀屋橋・大江橋デザインコンペ
4.4. 堺市 大小路交差点立体横断施設デザインコンペ

第3編 合理化および省カ化橋梁の調査と提案(第3分科会)

1. まえがき
2. 外国での施工事例
2.1. 概 説
2.2. 上・下部工一体構造の橋梁
事例−1. トルトーサ橋
事例−2. バレンシア橋
事例−3. メンジバル橋
2.3. 合理化・省力化橋梁
事例−4. デビル橋
事例−5. アレナール橋
事例−6. ルーリー高架橋
事例−7. ロワーズ橋
事例−8. マイン橋
3. 日本での施工事例
3.1. 概 説
3.2. 上・下部工一体構造の橋梁
事例−1. 阿古弥橋
事例−2. 笠ノ川橋
事例−3. 川之江東JCランプ橋
3.3. 合理化・省力化橋梁
事例−4. 北花田跨道橋
事例−5. 本谷橋
事例−6. 巴川橋
事例−7. 柏木谷高架橋
事例−8. 大網川橋
4. 新形式の提案
4.1. 概 説
4.2. 新形式の提案
4.2.1. 第1案:混合形式波形鋼鈑ウエブ橋
4.2.2. 第2案:ユニット鋼管トラス橋
4.2.3. 第3案:ハイブリッド圧延桁橋
4.3. 試設計
4.4. 今後の展望と課題
5. あとがき

第4編 視覚環境にやさしい橋梁技術の研究(第4分科会)

1. まえがき
2. 事例の収集
2.1. 参考事例の収集
2.1.1. 事例収集のポイント
2.1.2. 事例の整理
2.2. 周辺事例の収集
3. 視覚環境改善に対する方向性
3.1. マトリックスの考え方とその作成
3.1.1. 視覚環境レベルの分類
3.1.2. リニューアルポイントの分類
3.1.3. マトリックスの作成
3.2. 事例の分類
3.3. 事例分類の分析と評価
3.3.1. 橋梁の規模に関係なく分類した場合
3.3.2. 橋梁の規模ごとに分類した場合
3.3.3. 分析結果の検討
3.3.4. リニューアルの原理の抽出
4. ケーススタディー
4.1. CGによるリニューアル例の提案
4.1.1. 現況の把握
4.1.2. 改善箇所の抽出
4.1.3. 小松緑道橋における着目点
4.1.4. CGシミュレーション
4.1.5. ウォークスルー
4.1.6. CGによる評価とその効果
4.2. 長大橋におけるリニューアル例の提案
4.2.1. 対象橋梁の抽出
4.2.2. 各橋梁の特徴
4.2.3. 視点場の模索
4.2.4. まとめ

報告書全体概要

 21世紀を間近に控えた今日の橋梁の建設には、経済性及び機能性のみならず、環境の保全、利用者や周辺住民の快適性を考慮したデザインが要求されることは言うまでもない。しかしながら、いままでの伝統的な橋梁設計法は機能性と経済性に主眼を置いたものが多く、環境保全や快適性へのコンセプトが明確でない場合が多いように思う。
 環境にやさしい橋梁技術研究委員会は、上記の認識の下に平成8年4月に設立された。本委員会の目的は、環境にやさしい橋梁とは何か?そのために必要な橋梁設計の視点は何か?などを検討し、これからの橋梁の計画・設計・施工における開発技術の方向を明確にすることにある。
 本委員会は4つの分科会を持って活動してきた。各分科会のテーマは以下のとおりである。
 第一分科会:旧委員会である橋梁のジョイントレス委員会での積み残しのテーマとして、ラーメン橋の動的非線形応答解析の方法を取り上げ、主として動的非線形解析の市販ソフトの適用性の検討を行う。
 第二分科会:快適性を追求した橋梁技術とは何か?既往の文献やデザインコンペの例をとおして検討する。
 第三分科会:合理化・省力化橋梁、複合橋梁などによる新しい橋梁形式を追求する。
 第四分科会:視角環境改善とリニューアルの方法をケーススタデイをとおして提案する。
 平成8年4月から平成10年3月までの3年間で本委員会を22回、各分科会を18回開催した。本報告書は4分科会での活動成果をまとめたものである。各分科会から出された調査・文献資料は膨大なものであった。すなわち、環境にやさしい橋梁への工夫はすでに随所に見られるものであることを再認識したが、それらの努力結果の評価についてはまだ固まったものはなかった。景観や快適性の評価には当然のことながら利用者や周辺住民などの橋梁技術者以外の視点も必要であるが、それらの視点を公共物である橋梁の評価につなげる手法の必要性を痛感した。
 これからの橋梁デザインを主体的に担っていく土木技術者は、橋梁の機能性や経済性に関する知識と経験のみならず、土木以外の広い分野の專門家との対話や協議をとおして環境の保全や決適性についての理解と感性を持たねばならなく、それによって初めて利用者や地域住民に慕われる橋梁技術者になることができるものと確信する。

委員長 園田恵一郎

委員名簿

大阪市立大学 工学部 土木工学科

園田恵一郎

大阪工業大学 工学部 土木工学科

栗田章光

摂南大学 工学部 土木工学科

平城弘一

大阪工業大学 工学部 土木工学科

吉川 眞

潟Eエスコ 姫路支店 技術部 構造設計課

山室正人

オリエンタル建設梶@大阪支店 工務部

熊谷博明

潟Iリエンタルコンサルタンツ 関西支社

谷口和良

片山ストラテック梶@橋梁設計部 設計一課

竹野基司

川田建設梶@技術部 設計課

樋口雅善

10

葛エ梁コンサルタント 大阪支社

冨山 毅

11

葛゚代設計 大阪支社 道路橋梁設計部

伊丹 大

12

褐嚼ン企画コンサルタント 構造設計部

登野慎一郎

13

褐嚼ン技術研究所 大阪支社

山下和彦

14

国際航業梶@関西事業本部 道路部

松本弘道

15

駒井鉄工梶@西日本本部 大阪橋梁営業部

鷲尾修一

16

鰹C成建設コンサルタント

中嶋裕和

17

ショーボンド建設梶@西日本技術センター

加藤暢彦

18

椛轟嚥Z術コンサルタント

寺村 務

19

第一復建梶@大阪本部 技術部

茅窪清治

20

大日本コンサルタント梶@大阪支杜 構造部

堀内克男

21

大和設計梶@技術第二部

藤澤良光

22

中央復建コンサルタンツ梶@第二設計部

畔取良典

23

中央復建コンサルタンツ梶@第三設計部

小林敏宏

24

鉄建建設梶@大阪支店 エンジニアリング部

北村正孝

25

潟gーニチコンサルタント 西日本支社

坂岡和寛

26

東京エンジニアリング梶@大阪支杜 技術部

西本正一

27

東洋技研コンサルタント梶@大阪第二技術部

中野晴之

28

日本技術開発梶@大阪支社 構造部

古川保和

29

日本建設コン 設計部サルタント梶@大阪支社

角掛久雄

30

鞄本構造橘梁研究所 大阪支社

仲村賢一

31

潟jュージェック 橋梁部

石井良尚

32

パシフィックコンサルタンツ梶@大阪本社

古角禎章

33

復建調査設計梶@大阪支社

岩崎信正

34

潟}エダ 大阪支杜 技術部

岩崎俊夫

褐嚼ン技術研究所 大阪支社

伊藤恭平

潟Jイヤマグチ

山口政勝