資料No. |
517-8 |
報告書タイトル |
地球温暖化の影響とその対応策 |
委員会名 |
地球温暖化に伴う構造物設計研究委員会 |
委員長名 |
小田一紀(大阪市立大学 工学部 土木工学科) |
活動期間 |
平成3年4月〜平成6年3月 |
発行年 |
平成6年7月1日 |
報告書目次
水文編 地球温暖化に関わる既往の研究と近畿の気候への影響(水文グループ)
1.地球温暖化の概要と我が国の取り組み状況
1.1.地球温暖化の概要
1.1.1.概要
1.1.2.地球温暖化のメカニズム
1.1.3.温室効果気体
1.2.地球温暖化の予測
1.2.1.気温の予測
1.2.2.予測の精度等の問題点
1.3.世界的な影響と取り組み
1.3.1.気候変動
1.3.2.海面上昇
1.3.3.世界的な取り組み
1.4.我が国への影響
1.4.1.気候変動
1.4.2.海面上昇
1.5.我が国の各省庁における取り組み
1.5.1.地球温暖化防止行動計画と各省庁の動き
1.5.2.建設省における取り組み
1.5.3.運輸省における取り組み
1.5.4.通産省における取り組み
1.5.5.環境庁における取り組み
2.近畿圏における水文現象
2.1.地球温暖化と災害
2.1.1.地球温暖化による影響
2.1.2.既往災害記録
2.1.3.台風、高潮による災害
2.1.4.都市部における出水
2.2.気温・降水量の長期変動
2.2.1.調査対象地点と収集資料
2.2.2.気温の変動傾向
2.2.3.降水量の変動傾向
2.3.短時間降水量の変動傾向
2.3.1.調査対象地点と収集資料
2.3.2.降水量の経年変化
2.3.3.確率降雨強度の変化
2.3.4.発生原因別の降水量変化
2.4.少雨傾向
2.4.1.考え方および条件
2.4.2.年降水量および流量の経年傾向
2.4.3.無降雨継続日数の経年傾向
3.まとめ
3.1.調査結果の概要
3.2.今後の課題
参考文献
河川編 地球温暖化が河川に及ぼす影響とその対応策(河川グループ)
1.概論
1.1.概説
1.1.1.目的
1.1.2.地球温暖化のメカニズム
1.1.3.地球温暖化の予測
1.2.温暖化と河川の影響
1.2.1.外因と影響内容
1.2.2.降水特性変化
1.2.3.気候変動
1.2.4.海水面上昇
1.3.調査内容
1.3.1.淀川をケース・スタディとして
1.3.2.影響度調査
1.3.3.河川における地球温暖化に有効な対応策
2.影響度調査
2.1.流域分割
2.1.1.流域の特性
2.1.2.上流域の特性(宇治川および琵琶湖流域)
2.1.3.上流域の特性(木津川流域)
2.1.4.下流域の特性
2.1.5.流域分割
2.2.治水に関連する生起現象
2.2.1.上流域の影響(琵琶湖流域)
2.2.2.上流域の影響(木津川流域)
2.2.3.下流域の影響
2.3.利水に関連する生起現象
2.3.1.上流域の影響
2.3.2.下流域の影響
2.4.河川環境に関連する生起現象
2.4.1.上流域の影響
2.4.2.下流域の影響
2.5.影響マップ
3.地球温暖化に有効な対応策
3.1.治水面の対応策
3.1.1.上流域における治水面の対応策
3.1.2.下流域における治水面の対応策
3.1.3.上下流域に共通な治水面の対応策
3.2.利水面の対応策
3.2.1.上流域における利水面の対応策
3.2.2.下流域における利水面の対応策
3.2.3.上下流域に共通な利水面の対応策
3.3.河川環境面の対応策
3.3.1.上流域における環境面の対応策
3.3.2.下流域における環境面の対応策
3.3.3.上下流域に共通な環境面の対応策
3.4.まとめ
参考文献
港湾・海岸編 地球温暖化が港湾・海岸構造物に及ぼす影響と対策工法(港湾・海岸グループ)
1.概論
1.1.概説
1.1.1.概要
1.1.2.温暖化が港湾・海岸に及ぼす生起現象
1.2.温暖化による港湾・海岸への影響
1.3.研究内容
1.3.1.研究対象施設
1.3.2.検討条件
2.港湾・海岸構造物への影響と対策
2.1.外かく施設(防波堤)
2.2.係留施設
2.3.水門・排水機場
2.3.1.水門
2.3.2.排水機場
2.4.防潮堤・護岸
2.4.1.防潮堤
2.4.2.護岸
2.5.突堤・離岸堤・潜堤
2.6.人工海浜
3.まとめと今後の課題
参考文献
報告書全体概要
無限であったはずの地球の恵みの有限性に人々が気づき始めたのは、比較的最近のことである。
地球の恵みの有限制は、一つにはエネルギー危機,資源の枯渇などという形で現れ、他には、地球のもつ環境復元能力を越えた人類活動による地球環境問題という形で現れている。
本研究委員会で取り上げる「地球温暖化」は、砂漠化の進行,オゾン層の破壊,海洋汚染,森林破壊などとともに、地球環境悪化の一現象と位置づけられるもので、その影響は気象・水文現象の変化,海面上昇などとなって現れ始めている。
このような地球温暖化による気象の変化は水の循環形態を変化させ、蒸発現象や降雨・降雪現象,氷河の融解,土壌水分の増減等の水文現象の変化につながり、結果として河川の流出量や水質、重には動植物の生態系にまで影響を及ぼすものと考えられる。地球温暖化による大気循環の活発化と海面上昇は、波浪増大とそれによる海岸浸食の増大といった別の問題を引き起こす。我が国の周囲は海に囲まれており,かつ平地が沿岸部に集中している。そのため人口や資産も沿岸部に集中しており、臨海部の都市はどんどん海へと拡大し続けている。沿岸域は,国産流通の拠点である港湾として、また人々の食生活を守る漁港として、さらには生活に潤いを与える場として、重要な役割を担っている。したがって、海面上昇については、その影響が顕在化する前に十分に検討を進めておく必要がある。
以上のような観点にたち、本研究委員会は「地球温暖化」によってもたらされると考えられる様々な問題を、河川・港湾・海岸構造物の設計の立場から調査・検討し、今後の対策を提言するために組織された。この目的を遂行するために、研究委員会の中に、気象・水文現象の変化を取り扱う「水文部会」、河川に及ぼす影響と対策を取り扱う「河川部会」おより港湾・海岸に及ぼす影響と対策を取り扱う「港湾・海岸部会」を設置した。
「水文グループ」では、次の事項を調査し、「水文編」のとりまとめを行った。
(1)地球温暖化現象の概説、IPCCを初めとする世界の関係諸機関の温暖化による気温,海
水位予測のとりまとめ、および我が国における地球温暖化対策のとりまとめ。
(2)近畿圏における気温、短期降水量記録からのここ数十年問の、気象の変動特性の検討,ま た、その変動特性からの地球温暖化による気候変動の読み取り。
(3)今後の検討課題、現在までの知見による気温上昇量、降水量の変動量、海水位の予測上昇量の取りまとめ。
「河川グループ」では、次の事項を調査し、「河川編」のとりまとめを行った。
(1)淀川をケーススタディとして、その流域特性から上下流域に流域分割を行い、影響を受 ける外因の整理、治水・水利用および河川環境に関連する影響度の検討、および「影響マップ」の作成。
(2)地球温暖化が河川に及ぼす影響の軽滅対策についての基本的な考え方,および有効と考えられる対策についての提案。
「港湾.海岸グループ」では、次の事項を調査し、「港湾・海岸編」のとりまとめを行った。
(1)大阪湾をケーススタディとして、港湾・海岸構造物の安定性と機能に及ぼす海面上昇の影響について、施設の種類別に現在の設計手法に基づいて検討するとともに、その対策工法を提案。
終わりに、ご協力を頂いた各位に感謝の意を表するとともに、今後さらに調査・研究が進められることを希望する次第である。
平成6年7月
地球温暖化に伴う構造物設計研究委員会
委員長 小田一紀
委員名簿
|
所 属 名 |
氏 名 |
1 |
大阪市立大学 工学部 土木工学科 |
小田一紀 |
2 |
京都大学 防災研究所 |
河田恵昭 |
3 |
京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻 |
禰津家久 |
4 |
鹿島建設梶@大阪支店 |
千田哲雄 |
5 |
近畿技術コンサルタンツ梶@技術部河川1 |
裏久保英明 |
6 |
褐嚼ン技術研究所 大阪支社 河川本部技術第3部 |
杉浦正之 |
7 |
褐嚼ン技術研究所 大阪支社 河川本部技術第3部 |
北澤聖司 |
8 |
国際航業梶@関西技術所 海洋事業部 |
西岡陽一 |
9 |
清水建設梶@大阪支店 土木技術部 |
井原遉之 |
10 |
鰹C成建設コンサルタント 技術1部 |
西 隆広 |
11 |
中央復建コンサルタンツ梶@第4設計部第2課 |
横田和義 |
12 |
鞄結梃嚼ンコンサルタント 関西支店 技術部 |
瀧原 勇 |
13 |
東洋建設梶@大阪本店 土木部技術課 |
前田 敏 |
14 |
鞄建設計 土木設計事務所 設計部 |
高橋 正 |
15 |
日本技術開発梶@大阪支社 水工部 |
新池 亨 |
16 |
日本建設コンサルタント梶@大阪支社 技術第1部 |
久一博世 |
17 |
鞄本港湾コンサルタント 神戸事務所 |
沢田 守 |
18 |
潟jュージェック 水工部河海調査室 |
白崎俊一 |
19 |
パシフィックコンサルタンツ梶@西日本事業本部 |
中村敬司 |
20 |
パシフィックコンサルタンツ梶@西日本事業本部 |
大木博文 |
21 |
不動建設梶@土木技術部 |
羽田勝実 |
22 |
三井共同建設コンサルタント梶@関西支社技術部 |
仁賀眞二 |
23 |
八千代エンジニヤリング梶@大阪支店 技術第1部 |
妹尾嘉之 |