溝壁安定計算の考え方と若干の試算例

東洋技研コンサルタント�梶@○　森山晃士
東 　秀生
宮下典嗣

論文要旨

　連続地中壁の掘削工事に伴う壁面崩壊に対する安全性を検討する方法としての，三種類の３次元崩壊土塊形状に対する安全率を求める方法を示し，土質定数，施工条件をパラメ−タにした計算結果より各計算法の特性を考察したものである。
　崩壊土塊形状は，�@円筒形，�A円弧・斜面複合形，�B放物線・放物線形である。これらによる崩壊安全率に関する特性は次のとおりである。�@円筒形は，砂質地盤の場合に側面摩擦抵抗を過大評価する。�A円弧・斜面複合形は，崩壊土塊の厚さを固定するため最小安全率を与えない。特に，粘性地盤では過大な安全率を与える。�B放物線・放物線形は妥当な安全率を与えるようであるが，溝長さに対する感度が鈍い。
　このことから，壁面崩壊の安全率に関して，一つの計算法にこだわらず全体的な総合評価で確認すべきである。

キーワード

連続地中壁，掘削溝壁の安定，３次元すべり，破壊土塊形状，すべり安全率