未固結地山における山岳トンネルの設計と施工
国際航業梶@○ 甲斐 哲平
論文要旨
本論文の対象であるトンネルは、古琵琶湖層群と呼ばれる未固結な地山を貫くトンネルであり、岩盤分類による標準支保パターンを採択することは不適切である。そこで、数値解析(有限要素法)による手法を採用し、支保構造の設計および掘削工法の選定を行った。
本トンネルは、これらの計画に基づいて既に施工され、両坑口付近で切羽の部分的な崩壊から鏡吹付を行ったものの、これ以外切羽は終始安定し、支保構造にも大きな変状がないまま無事貫通に至った。
この結果、数値解析による支保構造の組合せや掘削工法の選定が、この場合における有効な手段であることが確認できた。
本論文は、本トンネルにおける設計・施工について報告するとともに、今後の課題についても考察を行ったものである。
キーワード
山岳トンネル、FEM解析、未固結地山