大型車が頻繁に通行している長大吊橋補剛桁の縦断形状計測法

日本道路公団 九州支社 下関管理事務所    相良  貢
堀野  恵

日本構造橋梁研究所 大阪支社 ○ 梅本幸男

論文要旨

 関門橋においては、定期点検の一環として補剛桁の縦断形状計測が行われており、今まではレベルを使用して計測されてきている。しかし、計測しているすぐ脇を大型車等が頻繁に通行しており、相対差から標高を求めるレベル計測法では、安定した計測値が得られていなかった。
 そこで筆者らは、交通規制をすることなく活荷重が作用している状態のまま『光波測距儀による追尾計測』を行い、その計測値を通過大型車の台数等に応じて『大型車等の影響評価法』で補正して、無載荷時の補剛桁の形状を得る方法を採用した。 その結果、今まで実施してきたレベル計測に比べて、「短時間で、安全に、精度良く」計測できることが確認できた。
 なお、本論文で紹介した計測法と補正法は吊橋に限らず一般橋梁にも応用が可能であり、交通規制をすることなしに無載荷時の形状を得ることができる他、タワミの動的増幅率や応力の計測等にも適用可能である。

キーワード

計測システム、標高計測法、動的載荷試験、載荷状態の形状から無載荷形状を得る方法