兵庫県南部地震による臨海埋立地の基礎杭クラック分布とその解析

基礎地盤コンサルタンツ（株）　○　大平 　耕司
久保田耕司

論文要旨

　兵庫県南部地震で生じた埋立地における橋脚基礎杭の深度方向の損傷分布の発生要因を推定する事を目的とし、地震動により生じる地盤の水平変位を強制変位として与え、平面骨組み解析手法による検討を行った。
　基礎杭の損傷度は橋脚基礎杭について実施したボアホールカメラで得たクラック分布を用い、地震動による地盤の水平変位は有効応力解析（液状化解析コード“LIQCA"）で算出した。抗体に発生する応力は地盤の水平変位を抗体の強制変位と考え、その変位量を地盤バネを介して抗体に作用している荷重にモデル化して求めた。
　埋立地盤が地震時に液状化したと想定して、ばね定数を低減させていくと、わずかながらクラックの分布と、抗体に発生するモーメントに相関がみられたが、損傷分布を全て表現するにはいたらなかった。

キーワード

杭の強制変位、地震応答解析、地盤ばね、ボアホールカメラ