S字曲線を有する下田水高架橋の片側押出し施工報告

ピーシー橋梁株式会社 大阪支店工事部  高橋 慎作

極東工業株式会社    技術本部技術部   江見 和紀

ピーシー橋梁株式会社 大阪支店技術部 ○ 廣井 幸夫

論文要旨

 下田水高架橋(以下本橋と称す)は平成11年5月に開通した"瀬戸内しまなみ海道"、今治〜尾道ルート内の愛媛県越智郡吉海町に位置する7径間連続PC箱桁橋である。本橋は平面線形にR=2000m〜A=310〜R=∞〜R=800mというS字要素を有し、当初支保工による分割施工にて計画されていた。しかし、架橋位置が丘陵部に位置し周辺にホテル、住居等が隣接していることに起因する地形や周辺環境への配慮、およびSP7橋脚背面に県道があるという点より、SA1側からの片側押出し施工に変更された。従来S字曲線橋は、主桁製作ヤード内の設備、押出し軌跡等の問題より両側から押出し施行が基本とされてきた。そのためS字曲線橋を片側押出し施工した橋梁として、本橋が国内初の施工例となった。
 本稿では、横移動型主桁製作装置、反力管理および主桁軌跡管理等を重点に本橋の施工報告を行う。

キーワード

横移動型主桁製作装置、反力管理、主桁軌跡管理