霞ヶ浦流域における流域環境管理のための分布型物質流動モデルの構築

褐嚼ン技術研究所 大阪支社技術第1部 ○ 和田 一斗

論文要旨

 流域開発の進行した閉鎖系水域の流域において目標とする水質指標を効果的に達成するためには、COD、窒素、リン等の汚濁源が流域のどこに存在し、それがどのような経路を通じてどの程度湖沼に流入しているかを的確に推定することが必要である。ポイントソース系汚濁源は、主に人間活動に起因するものであるため、年間を通じて流出負荷量はパターン化しており、原単位法による推定が可能である。一方、ノンポイントソース系汚濁源は、降雨量が流出負荷量に大きく影響するため、降雨による負荷量の変動を推定することが不可欠である。
 本稿では、分布型降雨流出モデルに汚濁負荷の物質流動メカニズムを組み込んだ分布型物質流動モデルを構築することにより、面的に分布するノンポイントソース系汚濁負荷の流出過程を推定する手法を開発した研究の概要を紹介する。

キーワード

分布型降雨流出モデル、分布型物質流出モデル、土地利用