低平地河川における河川改修プログラムの評価

玉野総合コンサルタント株式会社 ○ 田中　賢治
重松　明典

論文要旨

　河川改修は流域レベルで見ると事業完了までに長い年月を要し、全体計画でその将来形を描きつつも、特に低平地を流域にもつ河川では複雑な流域機構に対し、改修過程における治水安全度が明確に示されることは少なく、段階的整備手法についても事業効果が理解されにくいのが実情であり、公共事業投資の適正化、効率化が叫ばれる昨今、事業運営にも流域環境、社会情勢の変化に応じた柔軟な対応が求められている。
　一方河川改修工事では、局部的な改良行為が時として予期せぬ地点における治水条件に影響を与えることもあり、治水安全度の向上と事業効果の早期発現を目指しつつも、一定の制約のもとに改修を進めてゆかねばならないことになる。
　本報告は、流域内に築堤、内水等諸種の要素をもつ低平地河川において、治水施設整備の各段階における治水安全度を比較的簡便に予測し、長期的に見た河川改修プログラムの評価について検討したものである。

キーワード

河川改修，低平地，湛水，治水安全度，事業効果