駅前商業施設駐車場を有効利用したPFI的パーク・アンド・ライド推進社会実験
株式会社建設技術研究所 大阪支社環境都市部 神野 裕昭
○ 竹林 弘晃
論文要旨
交通渋滞や環境問題の改善のため、交通需要マネジメント(以下、TDMという)により、既存の社会資本ストックを有効に活用し、移動の効率性を高めることが重要な課題の一つとなっている。TDM施策の内、公共交通の利便性を高めることで都心部への流入交通量を削減するパーク・アンド・ライド(以下、P&Rという)は、ロードブライシング等の抑制的施策に比べ市民の理解が得られやすいこともあり、全国的に多くの都市でその取り組みがはじめられている。ところが、大阪都市周辺部においてP&R用の駐車場を確保することは、用地取得、整備工事等に多大な時間と費用を必要とするのが現状である。
そこで、平日は比較的空いている駅前商業施設の駐車場を有効利用したP&Rの展開を考え、大手スーパーマーケットや百貨店(以下、スーパーという)の協力を得て、5つの商業施設駐車場をモデルケースとして社会実験を実施した。本稿では、その取り組み概要と、実験を通して分析した市民や企業意識の変化および利用者二ーズの把握等について紹介する。
キーワード
交通需要マネジメント,パーク・アンド・ライド,社会実験