土地区画整理手法によるダム水没地移転先の創出
玉野総合コンサルタント株式会杜大阪支店 ○ 竹中 健司
論文要旨
本件は、治水ダムを建設することにより生じる水没地区の集団移転先を、土地区画整理手法により創出した事例である。
集団移転先は、ダム水没地の代替用地として全域が買収予定地であった。しかしダム補償の妥結を待たなければ土地売買契約を締結できない等、種々の事情があり、開発行為ではなく売買予約契約を取り付けた上で、未買収のまま土地区画整理事業を実施した地区である。また、ダム補償妥結後は買収により権利者が極端に減少し組合施行の法的要件を割ることや公共性が高いこと等から組合施行ではなく市長の同意型個人施行としている。
売買予約契約により事業着手し、事業の途中で市が大半の土地取得を行ったところに事業の特徴があるといえる。
キーワード
集団移転、区画整理手法、同意型の個人施行、売買予約契約