道路擁壁傾斜防止対策についての一考察

株式会社 修成建設コンサルタント  小笹 展啓
竹安 完二
○ 小東 宏光

論文要旨

 本論文は、国道沿いにおいて、傾斜・クラックなどの変状が生じている擁壁の補強工法を報告するものである。
 工法の選定は、当該箇所が特に交通量の多い、重要度が高い国道であるため、通過交通に影響がないように考慮した。また環境、コスト面からも、産業廃棄物抑制を考慮した工法とした。
 補強方法は、上記条件を満足させた工法としてルートパイル工法(圧縮補強)を採用した。
 工法は、既設擁壁の背面で補強土体を形成する一般的なものではなく、既設擁壁も用いて補強土体を形成させる特殊工法とした。この工法の特徴は、補強材長が短くなることによる経済性と、前面側の補強材による支持力、背面側の補強材による水平抵抗力による擁壁変状を抑制させた構造特性である。

キーワード

補強土工法、特殊工法、既設擁壁補強工法、複合構造物