軽量材による土圧軽減工法の適用事例

日本技術開発梶@  坂井 清責
○ 石原 幸治

論文要旨

 主要地方道小浜朽木高島線は、小浜(福井県)と朽木(滋賀県)を結ぶ滋賀県北部における重要な路線である。治水・利水を目的として計画されている北川ダムは本路線を工事用道路として利用する計画である。本路線の大半は河川と併走し、現道は狭窄部の多い一車線道路となっている。このため、現道拡幅の大半を川側へ拡幅する計画である。
 本報告箇所では、実際の土砂層が設計時に設定された土砂層よりも厚く、かつ不安定土塊であることが地質調査の結果により確認できた。これら地層厚等土質条件の変化に伴う過年度設計(補強土壁)の問題点を整理し、対策工の検討を行った。
 対策工には、@不安定土塊を抑止する機能を有すること、A施工時の土留機能を有することが必要であった。このため、対策工としてはアンカー付き山留め式擁壁を採用し、その上部には抑止の土圧を軽減することを目的とした軽量盛土工法を採用した。
 本稿では、既往設計からアンカー付き山留め式擁壁+軽量盛土工法(EPS工法)に変更となった経緯について報告するものとする。

キーワード

アンカー付き山留め式擁壁,軽量盛土工法,EPS工法