切土に起因した神戸層群岩盤すべりの機構

日本工営梶@大阪支店 ○ 生島 潤一

論文要旨

 神戸層群分布域で建設工事に起因する地すべりの発生は多くの文献で紹介されている。本論文ではここ数年間で取り扱った地すべり事例を紹介し、それらに共通の特徴を抽出する。また代表事例を紹介し既存資料との比較から地すべり機構を推定した。
 これら建設工事中に発生した地すべり特性としては、@初生的岩盤すべり。A流れ盤地質構造を示す。B泥岩や凝灰岩等の内部や境界部をすべり面とする。が挙げられる。
 このような地すべりの発生は岩盤部を掘削することにより地山内の応力解放が進行し、流れ盤構造に沿って弱線が形成され岩盤すべりが発生するものと推定される。
 従って今後神戸層群分布域で開発工事を計画する場合は、地質構造を考慮に入れた計画が必要である。

キーワード

神戸層群,流れ盤,岩盤すべり,建設工事,切土法面