橋脚耐震補強設計における非線形動的応答値推定法

�樺ｷ大　竹田達也

論文要旨

　本稿は、既設橋脚の耐震補強設計を行うに当り、非線形動的解析によって補強断面を決定する際の、非線形動的応答値の推定法についてまとめたものである。設計対象橋脚を類似橋脚毎のグループに分類し、代表橋脚について非線形動的解析を実施し、準用橋脚については本推定法により補強断面を決定した。具体的には、代表橋脚の非線形動的解析結果を踏まえて、振動特性及び標準加速度応答スペクトルから非線形動的解析による最大応答塑性率を推定する。なお、補強断面の決定は、最大応答塑性率より行う。本稿で提案した推定法により、非線形動的解析を実施しなくても、比較的高い精度で非線形動的応答値を推定することが出来た。今後この推定法の利用を広げていくには、数々の実績の積み重ねと改良が必要不可欠であると考える。

キーワード

非線形動的応答値推定法、振動特性、標準加速度応答スペクトル、応答塑性率、構造減衰、補正係数