EM探査法による盛土地盤の評価
八千代エンジニヤリング梶@山口博之
論文要旨
各種の土木構造物の中でも、盛土は定量的検査が難しい構造物のひとつである。盛土の健全性検査は、資料等による事前調査と目視検査によるところが大きく、検査精度は検査担当者の経験、技術力に負うところが多い。しかしながら、資料や目視のみで地盤の状態を十分に評価することは困難であり、可能な限り定量的かつ科学的な検査手法を併用した検査体制の確立をしていく必要がある。
このような状況の中、近年、既往の研究において地盤の比抵抗を評価指標とした検査手法が、トンネルの地山区分1),2)や地下水解析3)、あるいは盛土の締固め管理4),5),6),7)等に関して有効性が報告されるなど、その利用が急速に拡大している。本研究では、各種の比抵抗探査法のうち、比較的簡易かつ迅速に地盤の比抵抗を探査することができるEM探査法に着目し、実地盤に対する定量的かつ科学的な評価を試みた。
本報では、比抵抗探査法(EM探査法)から得られる盛土内部の比抵抗分布をもとに行った、盛土地盤評価の事例について紹介する。
キーワード
EM探査法、地盤比抵抗、盛土評価