有用微生物による有機性廃棄物のコンポスト化

日本振興梶@杉浦英二

論文要旨

 有機性廃棄物による地球規模の環境問題(温暖化・ダイオキシン・地下水汚染等)が、我々の身近な問題として大きく取り上げられるようになった。処理対策としての法的な整備も進む中、建設・土木業界においても開発工事や維持管理において発生する伐採木・剪定枝・刈草等の適切な処理が求められている。その処理の一手法として、コンポスト化を提唱する。コンポストとして再生し、現地緑化等に再利用することは、物質収支や生態系の安定化につながる。未熟有機物の埋め立てや焼却は有害な物質を生み出し土壌や地下水を汚染するが、完熟したコンポストは安全かつ有用な土壌改良材となる。しかしながら、有機性廃棄物の中でも伐採木は難分解性であり、コンポスト化が非常に困難である。そこで、有用微生物を用いて分解を促進し、かつ安全性の高いコンポストの生産を実践した。その結果、短期間で腐熟度の高いコンポストの製造に成功し、この処理方法は伐採木の現地リサイクルシステムの構築に貢献しうるものであると考えられた。

キーワード

有機性廃棄物、環境問題、伐採木、コンポスト、有用微生物、リサイクル