赤外線熱画像による点検診断技術
国際航業 相良 謙治
浅井 忠昭
○ 鹿子嶋 康博
神原 達二
論文要旨
近年、橋梁についてコンクリート片落下事故が見られるようになってきている。これまでの橋梁定期点検とは、主として構造物自体の安全性、耐久性、使用性の確保を主眼に行ってきていたが、近年発生しているコンクリート片の落下は必ずしも橋梁本体の耐久性と関連しているとは限らない。しかし、橋梁下に第三者がいた場合には、重大な影響を及ぼすものとなる。
特に高架橋に関しては、高架下の街路、公園や駐車場等の施設等といった架橋位置の場合において、第三者被害にまで至る危険性を伴うため、点検の中でも重要な箇所と考えられる。このような第三者被害の防止対策のうえでもコンクリート構造物のひび割れ、浮き、剥離を効率的かつ高精度に検出・計測できる非破壊検査手法の開発が重要となる。従来行われてきた打音点検においても、さらに近代的な検査手法が求められている。
本文では、近年、打音点検にかわる新しい非破壊検査手法の1つとして注目を集めている赤外線熱画像カメラによる新しい検査手法による調査結果について報告をする。
キーワード
橋梁点検、非破壊検査、第三者被害