地下揚水発電の概念設計
潟jュージェック ○ 伊藤 成輝
〃 白井 義朗
論文要旨
下部調整池を地下空洞とする地下揚水発電については、これまで実現に際して必要な地下深部地質調査機器開発や超高落差発電機器設計等に関する検討がなされておらず、計画から施工までを体系的に整理したものもなかった。そこで、今回、下部調整池の設計・施工や地下施設の最適レイアウトについて特に重点的な検討を実施し、計画・調査・設計・施工・積算の考え方を体系的に整理した。
さらに、主要構造物に対する概念設計結果をもとにして、地下揚水の全体工程を作成したところ、淡水地下揚水、海水地下揚水ともに88ヶ月となった。
また、経済性評価のために、コスト試算を実施し、一般揚水発電と比較した結果、淡水地下揚水、海水地下揚水ともに、一般揚水発電より経済的であることがわかった。
以上の結果から、地下揚水発電の技術的・経済的可能性を確認することができ、実用化の見通しを得たので、これまでにまとめた概念設計結果の概要を報告する。
キーワード
地下揚水発電、概念設計、地下施設、複数切羽、放射性廃棄物処理施設への応用