わんどにおける保全工法への一考察
日本建設コンサルタント ○ 倉知 伸好
中谷 貴史
論文要旨
近年、河川が生態系保全の重要な役割を担っていることが広く認識されるようになったことから、「わんど」設置などの環境に配慮した河川整備が「多自然型川づくり」として模索されている。
「わんど」は、魚介類の生息場、仔雑魚の保育場、魚類の大型捕食者からの避難場所等の本流環境とは異なった重要な機能を持っており、種の多様性確保に大きな役割をはたしていることから、近年では「わんど」の持つこれらの機能が注目され、全国的に「わんど」の整備や復元、保全が進められている。
本稿では、堰の湛水区間内に位置し、その運用による水位変動幅の減少や平水位の上昇等の影響(図-1)を受けるため、わんどの機能が低下している箇所における保全工法についての基本的な着目点を述べる。
キーワード
わんど内水深、河床形状、水交率、伝統工法