地すべり抑制工としての水抜きボーリングの効果判定
中央開発梶@関西支社 ○平川英樹
同上 中村康雄
論文要旨
滋賀県南部から琵琶湖周辺地域に分布する古琵琶湖層群は,古琵琶湖に堆積した地層と昔の湖周辺の沖積平野や河川に堆積した地層とからなる。
当該地すべりを対象に過去4年間,地質調査・動態観測を行った。調査・観測の結果,当該地すべりでは地下水位が上昇しその状態が継続した場合に滑動することが観測された。また,水平ボーリングを実施した結果ブロック内の排水効果がみられ,豪雨時には地下水位は過去に地すべり滑動が観測された時の地下水位よりも上昇するが,急激に元の水位まで低下し,地すべり滑動も停止している状態が確認できた。
この事例から地すべり対策工として地下水排除工の効果を単に地下水位を低下させるという観点のみではなく,高水位状態の連続時間の低減という観点から再検討することが重要である。
キーワード
地すべり,地すべり対策,地すべり機構解析,地下水排除工