下水道シールド工法の一事例 ――急勾配施工への対応――
全日本コンサルタント梶@技術部 杉山恒一
同上 三島邦夫
同上 ○飯田裕和
論文要旨
平成14年度におこなったシールド工法による下水道汚水幹線の実施設計において、水理的な条件を勘案した急勾配施工によってコスト縮減を図った設計事例を紹介する。
この下水道幹線の計画設計の段階では、管内流速を抑えるために緩勾配で管渠縦断を計画していた。この場合、幹線ルートの地形、既存の地下埋設物、河川横断などの条件によって上流部の接続人孔で大きな落差(約15m)がつくことになる。この人孔部での落差を解消するため実施設計においてシールド工事の急勾配設計を行った。
下水道管渠としては急勾配のシールド一次覆工(管勾配:30‰)に対し、二次覆工をFRPM管(管勾配は計画設計と同じ6.5‰)で施工して管内流速が下水道基準の最大値3.0m/secを超えないようにした。このために生ずるシールド一次覆工と二次覆工との勾配差については、二次覆工用FRPM管の継ぎ手部に段差を付けて解消した。
キーワード
下水道管渠,シールド工法,急勾配施工,二次覆工用FRPM管,段差カラー,コスト縮減