一定規模以上の建設事業については、環境影響評価が義務づけられているが、実際事業が行われるのは環境影響評価の実施から数年〜数十年先であるとする場合が多い。本道路事業についても平成2年に環境影響評価が完了しており、その時点では確認されていなかったアオハダトンボ(兵庫県版レッドデータブックのAランク)が、工事実施に際して河川渡河部で生息することがわかり、その保全対策を実行したものである。実施内容は工事前にアオハダトンボの生息環境・生息状況を把握し、「事業の影響の低減」「生息環境の復元」「生息環境の創造」を保全方針とし、特に「生息環境の復元」のために、生息環境である植生と幼虫の移植を行い、その後植生及び成虫のモニタリングを行った。その結果、生息環境である植生の定着及び生息数の変化がないことを確認し、環境保全対策の有効性が確かめられた。
道路事業、アオハダトンボ、移植、保全 |