レベル２地震動に対する既設の上路式鋼ローゼアーチ橋の耐震補強検討として、種々な補強工に対し３次元ファイバーモデルによる固有値解析，動的応答解析を実施し、耐震補強の工法選定を行うとともに、解析結果から補強効果を検証した。検討の結果、橋軸方向の補強には減衰ダンパー、直角方向の補強には支柱およびアーチ基部へのコンクリート充填と、アーチ部の横構断面補強を提案した。固有値解析による振動数を比較すると、減衰ダンパーは橋梁全体の剛性の向上およびダンパーの履歴減衰効果、コンクリート充填は部材の剛性および靱性の向上、横構補強は橋梁全体のせん断抵抗の向上に伴い剛性が向上することが考察できた。また、アーチリブにおけるヒンジ支承の補強は、構造系の変更が伴わない部材取替補強を提案した。
| 鋼逆ローゼアーチ橋、耐震補強検討、動的解析、３次元ファイバーモデル |