本論文は、橋長1020mの大規模な既設橋梁に対する本格的な耐震補強設計を全国に先駆けて実施したことについて報告するものである。ここでは、既設大規模橋梁の耐震補強対策工検討手順、現況に対する耐震診断、耐震性向上のための支承構造の検討、各部材の耐震補強方法について述べる。適切な支承構造に変更することで、従来の耐力不足部材を補強する工法に比べ、大幅なコスト縮減を実現した。