本報告は、急峻な谷地形に位置する橋長140mの鋼下路ローゼ橋の計画・設計及び施工である。本路線の西佐味中之線と富田林五條線との交差点は、局地的に谷が入り組んでいる場所に位置するため、谷中に高さ約30mの箱式橋台を設置する。通常は橋台築造後、橋台背面盛土を行い、上部工を架設する。ところが、工事着手時点では大量の発生土および搬入路がない。これを解決し、工期内完成のためにいくつかの工夫をした。また、上部工は、地形条件よりケーブルエレクション工法で架設する。「上部工反力の1.5倍の地震時水平力に耐えるべく設計されるパラペット」を足がかりとし、仮2ヒンジアーチ架設工法を採用し、架設コストの縮減を実現した。本橋については、調査・設計・施工管理を実施させて頂き、平成15年2月に開通を祝うことができた。
谷中の交差点、工期短縮の工夫、ローゼ橋、斜呂工法、仮2ヒンジアーチ |